うつ病は、どの様なメカニズムで発症するのでしょか?
症状も様々で、完治も難しい病です。
うつ病の人には一体何が起きているのでしょうか?
最近の研究で脳に原因があることが分かってきました。
厄介なうつ病のメカニズムと対処法の謎に迫ります。
うつ病と脳のメカニズム
うつ病を発症すると脳の一部が萎縮します。
萎縮を引き起こした原因、それは脳の奥深くにある偏桃体です。
偏桃体が活動すると、恐怖や不安、悲しみなどの感情が生まれます。
うつ病の患者では、健康な人よりも偏桃体の活動が強くなっています。
偏桃体の活動が強くなる事で、恐怖、不安といった症状現れるのです。
うつ病になると強く活動する偏桃体。
うつ病に悩む人のストレスホルモンの値は、きわめて高くなります。
実は、この高い状態が脳に異変を起こしていたのです。
ストレスホルモンが過剰にあると脳の神経細胞はダメージを受けます。
脳の神経細胞はお互いに突起を伸ばして情報伝達する場所を形成します。
しかし、うつ病ではそういう機能は障害されます。
最新の研究で明らかになった「うつ病発症のメカニズム」です。
強い不安や、恐怖などが続くと偏桃体が過剰に働き、全身にストレスホルモンが大量に分泌されます。
過剰なストレスホルモンが脳に及ぶと、神経細胞に必要な栄養物質が減少。
この状態が続くと、神経細胞が栄養不足に陥り萎縮してしまうのです。
このメカニズムが、うつ病患者の脳の萎縮を引き起こしているのです。
その萎縮が、意欲や行動の低下を招いたのです。
偏桃体の機能が暴走してストレスホルモンが過剰に出る事によって脳がダメージを受ける、そういった悪循環が起きていると考えられるのです。
天敵から身を守る為に生まれた「偏桃体」から起こるメカニズム。
その暴走が、うつ病を引き起こしていたのです。
人類は、自らが生んだ文明によって、平等を崩し「うつ病」に悩む社会を作り出してしまったのです。
競争、妬み、孤独、これらは皆文明が生み出したものです。
最近、うつ病が増えているのは、格差が広がって先行きも不安だし、人間関係も希薄になって、結果「孤独」に苦しむ人が増えてるからなのです。
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うつ病の対処法
私たち人類は進化の観点から、うつ病の治療法を生み出し始めています。
今、うつ病を克服する新たな試みが始まっています。
ドイツで行われた最新の治療です。
頭に穴をあけ、電極を埋め込みます。
・DBS 脳深部刺激
ペースメーカーからの電流で偏桃体など刺激、働きを正常化し症状を抑えようとするものです。
一年前に治療を受けた患者は、以前は家族との会話すら困難な状態から回復し始めています。
うつ病と無縁な人を参考にした治療法も注目されています。
分け隔てのない仲間との平等な結びつきを治療に応用しようというのです。
・TLC 生活改善治療法
狩猟民族の人々は、うつ病という絶望の病に苦しむことがないのです。
治療では、スタッフとの信頼関係を築き、地域活動に参加するなど社会的な結びつきを強める事を重視しています。
更に、定期的な運動や生活習慣の改善にも取り組んでいます。
運動は、萎縮した脳の神経細胞を再生させる働きがあることが分かってきました。
また、昼間は太陽の光を浴び、夜はしっかり眠る規則正しい生活。
ストレスホルモンの分泌を正常に戻す効果があるのです。
これまでに治療を受けた、およそ100人のうち7割以上に改善がみられています。
患者の中には、長年うつ病の薬を飲み続けていた人が、この治療を初めてわずか1年で薬をやめる事に成功しています。
人間本来の暮らしを取り入れる事で「うつ病」から解放されたのです。
日本でも生活の改善による治療が始まっています。
医師のアドバイスを受け、運動や食事など改善方法です。
進化の中で、うつ病の原因を次々と抱え込んできた私たち人類。
この文明社会で、どの様に克服していくのか?
うつ病に苦しむ人だけでなく、社会全体で考えなくてはならない病なのです。