【西沢裕司とはどんな人物だったのか?】全日空61便ハイジャック事件の真相に迫る!

スポンサーリンク




警備の死角をついた犯人VS44歳乗客の緊迫メモ。

犯行後、次々と報じられた新事実、犯人の西沢裕司26歳は一体どんな人物だったのか?

膨大な史資料から全日空61ハイジャック事件の真相に迫る!

西沢裕司とはどんな人物だったのか?

東京生まれの西沢裕司は、全国有数の進学校に通い成績は常にトップクラス。

近所でも評判の真面目な少年だった。

優等生だった少年が、なぜハイジャック犯に変貌したのか?

西沢の人物像に触れた書籍や、雑誌をもとに再現する。

少年時代の西沢を同級生が表現している。

「性格はおとなしすぎると言うか、社会性ゼロで、自分から積極的に誰かと友達になろうとはしないタイプ。ほとんど友達はいなかった。遊ぶより勉強が好きという典型的なガリ勉タイプだった」

電車や飛行が大好きだった西沢少年。

夢はジャンボ機のパイロット。

難関「一橋大学」に進学し、エリートコースを進む西沢。

͡この頃すでに航空機マニアになっていた。

専門家でも難しい、30種類以上の羽田の着陸パターン全てを覚えていたと言う。

その頃の西沢の事を、大学時代の知人が語っている。

「もともと鉄道や飛行機といった乗り物が大好きだったようですね。一言でいえばオタク。友人も少なかった。フライトシュミレーターにすごくのめり込んでいて、将来はパイロットになりたかったようです」(大学知人)

当時、一般家庭にもパソコンが普及し始め、航空機の操縦をリアルに体感できるフライトシュミレーションゲームが人気を集めた。

当然、西沢も夢中になった。

パイロットの夢が現実の目標となっていく。

大学二年の時には、航空機に接していたいという一心で、羽田空港で荷物を積み込むアルバイトもした。

貯めたお金も、夢の為に使った。

全国のあらゆる航路、あらゆる機種に乗り、搭乗回数は70回以上であった。

更に、航空関係の書籍を読みあさり日夜猛勉強。

そして、日本航空、全日空、日本エアシステムと王手航空会社の入社試験を受ける。

夢が現実になる、そう信じて疑わない彼に届いた通知は・・・・

3社とも・・・不採用

長年抱いてきた夢が無残にも砕け散った。

そして6年後、西沢は恐ろしい犯行を起こすことになる。

やむなく西沢(23)は鉄道関係会社に就職する。

しかし、パイロットの夢を引きずつて仕事に意欲が沸かず、わずか2年で退職。

エリート人生で味わった、最初で最大の挫折。

生きる気力を失っていった。

この頃より、自室に閉じこもりがちな生活になる。

その一方で航空に対する執着だけは肥大していく。

フライトシュミレーションゲームに熱中し、航空工学書を読み漁った。

新しい仕事も見つけられず、しばらくは無職の日々が続いた。

現実逃避、部屋に引きこもり一日中フライトシュミレーションゲームに没頭した。

夢破れ、やる気を失っても航空機に対する熱い思いだけは消えなかった。

そんな時だった。

ふと目に入った羽田空港ターミナルビルの図面。

それを見た西沢は、ある事に気づいた。

何と、厳重なはずの羽田空港の警備に発覚した重大な死角。

機内に凶器を持ち込まれる可能性がある。

自分が発見した欠陥を羽田空港事務所に伝えれば知識が認められ、夢だった航空業界への就職の道が開けるかもしれない。

後日、西沢は自分が発見した警備の死角を自らの目で確認する為、羽田空港へ向かった。

チケットを購入し、自分が発見した経路を使い実際に保安検査場を通らずに出発ゲートまで入ってみた。

すると、一度ばかりか二度試しても難なく入る事が出来た。

西沢は、空港警備に欠陥がある事を確信した。

自分で見つけた説が証明されればと、西沢は次のステップへ進む。

空港警備上の欠陥を細かく説明する文章を作成し、運輸省、東京航空事務所、日本航空ビルディング、主要航空会社3社、警視庁東京空港警備、新聞各社へ実名で送ったのだ。

どん底から這い上がる為の最後の望みだった。

西沢からの手紙には、羽田警備における欠陥が事細かに記載されていた。

更に、凶器を持ち込むルートと、侵入方法までが書き記されていた。

西沢裕司の手紙

侵入方法

1・地方空港で羽田空港経由で別の地方空港へ向かうチケットを購入し、チェックインの際、接続とせず羽田空港までの手続きをとる。

2・鋭利な凶器の入った手荷物をコンテナ積みの手荷物として託送する。

3・羽田空港到着の際、手荷物を受け取ることなく到着ロビーを出て、すぐさま次の出発便のチェックイン手続きを行う。

4・手ぶらであることから、手荷物検査にかかる事はなく出発ロビーに入れ、直ちに手荷物受取所に下り、先の便で託送した手荷物を受け取る。

5・出発ロビーに戻り、次の便に搭乗し、手荷物に入れておいた凶器を用いて乗っ取りを行う。

そしてハイジャック犯侵入の防止策も詳しく書かれていた。

ハイジャック防止策

1・一階の到着手荷物受取場から二階の出発ロビーへの上り口、及び一階エレベーター入り口に複数の警備員を配置し、上ろうとする客を止めると共にどうしても上らなければいけない場合には、厳格に持ち物検査を行う。犯人が職員に変装しているケースに備え、職員についてはランプパスの確認を行う。

2・二階から到着手荷物受取場への入り口に、単に「到着」の表紙だけでなく「出発のお客様は立ち入る事は出来ません」という禁止の表示をする。

更に先日6月13日、羽田空港発の航空券を購入して空港内の警備状態の実態調査を行い、2つの問題点を発見致しましたのでここにご報告申し上げます。

実際、4か所ある階段全てを何もとがめられる事無く成功いたしました。

このことは、ハイジャック犯罪を容易に成立させる事となります。

どの様な鋭利な凶器でさえも自在に機内に持ち込む事が出来るという確信があります。

こうした事犯を防ぐ為次の様な対策を提案い致します。

この様な内容の手紙であった。

実は、空港当局も西沢からの手紙を受け会議を開き警備強化を検討している。

その事実は、「日本航空事故処理担当」という書籍に書かれている。

日本航空事故処理担当

空港事務所は、西沢の手紙を運輸省航空局に報告し、6月29日に航空局、空港事務所、航空会社5社、空港ビルとで対策会議を開いた。

しかし、この会議では西沢が指摘した欠陥を確認しただけで、対策については結論を出せ無かった。

結局、警備員を配置するだけでも年間、1憶円を超す費用がかかる為、改善は先送りにされたと言う。

ある新聞によると、手紙を送って一か月経っても改善されない警備体制に疑問を持った西沢は、空港当局に対して・・・

対策していないじゃないか!

「調査費を負担して欲しい!」

ガードマンが必要なので自分を雇ってほしい!

こんな電話をしたと言う。

意見は聞き入れられず、自ら見つけた空港警備の死角。

子供の頃から憧れていた航空業界。

一度は立たれた夢かなえる最後のチャンスが消えた。

西沢の心に悪魔がささやいた。

見てろ~お前らに思い知らせてやる~!

ハイジャックを成功させて、俺が正しい事を証明してやる!。

空に憧れた少年がハイジャック犯に変貌した瞬間だった。

西沢が思い描いて恐怖のシナリオ

それは、ハイジャックしたジャンボジェットを自分で操縦士しゲームでは完璧にこなせる、お台場のレインボーブリッジ潜りを成功させると言う犯行計画だった。

パイロットの夢ばかりか、最後の望みも絶たれ、自暴自棄になっていたという西沢。

ハイジャックに臨めば、乗客を道ずれにジャンボ機もろとも墜落という大惨事にもなりかねない。

多くの冊子や書籍には恐ろしい犯行を起こす西沢の姿が描かれている。
 

スポンサーリンク



全日空61便ハイジャック事件の真相に迫る!

 

西沢はさっそく「決意」を実行に移す準備を始めた。

母親には、北海道旅行に行くと言って家を出ようと思った。

だが、いつもと違う息子の様子に母は不安を抱いていた。

机の上に置いてある旅行用のバッグ。

いやな予感を思いながら恐る恐るバックを開けると、手作りのさや、そして新品の包丁。

帰宅した西沢、すると・・・

出刃包丁、粘着テープ、手袋えお収めた手提げバック入りのショルダーバックを母親に発見されて、息子が自殺する為に出刃包丁とペティナイフを用意したのではないか?

母は、そう思い込んでバックを隠したのです。

彼は「バックを出せ」と怒鳴り、母親の顔面を殴りつけた。

この時、母はまさか息子がハイジャックに及ぶとは想像もしていなかった。

1999年7月23日ハイジャック決行日

西沢は、午前6時羽田空港に現れた。

当時、羽田空港で飛行機に乗る場合、通常は入り口を入ったロビーにある航空会社のカウンターへ進む。

そこで目的地を決め運賃を支払い搭乗券を受け取り、その後大きい荷物を預ける。

ここで預けられた荷物は、X線探知機で爆発物の有無などを調べる。

客席下部にある貨物室に収納される。

ここは客室と分離されている為、刃物の入った荷物も預けられる。

続いて出発室に進む。

この保安検査場で機内持ち込みの中に凶器となる刃物や爆発物が入っていないか入念な検査が行われる。

だが西沢には、この厳重な警備も突破する自身があった。

まず、日本航空のカウンターで6時45分溌、大阪伊丹行きの搭乗手続きを行い包丁が入ったバックを預けた。

預け荷物もセキュリティチェックが行われるが、客席下の貨物室に収納されるため刃物なども預ける事が出来る。

その足で、10時55分発、新千歳行き全日空61便の搭乗手続きも行う。

この時点で、6時45分発日本航空大阪伊丹行と、10時55分発全日空新千歳行き2枚の搭乗券を手にした西沢。

この後の大阪への移動が後々大きな意味を持ってくる。

ある雑誌の記事では、西沢の用意周到ぶりがうかがえる。

日航便は、「タカハシカツヤ」全日空便は「ササオカシンジ」の偽名で予約。

全者は、オウム真理教の手配犯、後者は広島カープの投手の名前。

6時45分、包丁を入れた預け荷物を乗せたジャンボ機に乗り、西へ移動。

7時45分、大阪伊丹空港到着。

伊丹に着くと包丁が入ったバックを受け取り、タグを外して搭乗口から外へ出る。

そして折り返し、8時50分発の東京羽田行きに凶器入りの荷物を預け、搭乗券を受け取りそのまま出発口を通り羽田行に搭乗。

貨物室に入った凶器入りの荷物と共に羽田へと引き返した。

10時7分、西沢の乗った飛行機が羽田に到着。

飛行機を降りた西沢は、通路を直進。

そのまま、預け荷物受取場へ向かう。

ベルトコンベアで運ばれてくる包丁入りのバックを受け取る。

通常、荷物を受け取った乗客はそのまま出口から出ていくが、西沢は出口には向かわず計画通り荷物受取場内にあるトイレへ向かった。

タグを取り、バックの中の凶器を確認。

西沢は慎重だった。

髪型を変え、包丁を握る為の滑り止めなのか手袋をはめ、更にメガネをかけて変装。

こうして西沢は別人に。

そして、カバンの中に入れといた肩掛けバックに持ち替え大きいバックはゴミ箱へ。

そして、恐怖のハイジャック機へと歩みを進めて行く。

飛行機から降りてくる人ごみの流れに逆らって進み、向かったのは西沢が警告した警備員も配置されていない死角。

職員専用階段

この階段は普段、2階のチェックインカウンターで働く職員や1階の到着ロビーで働く職員の交代や何らかの用事で行き来する為のもの。

西沢が警告する前は、立て看板も警備員も配置されておらず、誰でも普通に通れる状態であった。

凶器を忍ばせた西沢がその階段に足を進めると、看板だけが増えているが、相変わらず無防備な状態であった。

下見の時、何度も通った経路。

落ち着いた表情で階段を駆け上がると、そこは出発ゲート。

包丁をもったまま、あっさりと侵入に成功した。

包丁をバックに忍ばせた悪魔が遂に出発ゲートに進入した。

後は事前にチェックインしていおいた搭乗チケットで新千歳行の便に乗り込むだけ。

空港を知り尽くした知能犯、西沢だからこそ気付いた、警備の死角。

その当時、出発ゲートに向かっていたのは全日空61便を操縦する長島直之機長。

兄も弟も操縦士というパイロット一家で飛行2万時間を超えるベテラン。

飛行機を深く愛する男たち。

一方はエリート街道。

一方は、夢に破れ刃物を手にしたハイジャック犯。

遂に2つの運命が交わった。

子供の頃から憧れた、空の仕事。

パイロットの夢破れ、誰にも必要とされない絶望の日々。

遂に警告を実現する。

羽田発新千歳空港行の全日空61便

機体は当時最新鋭。

西沢は、このハイテク機を自分の手で操縦したかったのだ。

いよいよ搭乗が始まった。

夏休みに入って最初の種末という事もあり、にぎわう機内。

搭乗人数は、乗員乗客合わせて517人。

座席が1階と2階に分かれていたジャンボ機。

コックピットがあるのは、2階席の前方。

実は長島機長、後輩パイロットの指導や監督をする部署の副部長に就任したばかりだった。

続々と搭乗してくる乗客。

その中に、包丁の入ったバックを手にした西沢がいた。

向かったのは、コクピットのある2階の客室。

おどおどして挙動不審な西沢。

周りの乗客は、タダならぬ気配を感じたと言う。

西沢の近くに乗り合わせた、当時44歳の男性。

後に犯人に立ち向かう事になる彼が、その時の様子を克明にメモしている。

「身長150~170の間か、やせ型、黒縁メガネ、白いYシャツ(半袖)ネクタイ、ベージュズボン、両手に白い手袋、安っぽい?黒い短靴、右手にナイフ左手にA4版のモスグリーンのカバン」

この手帳をもとに緊迫したハイジャック機の様子が伺える。

乗客は2階におよそ80人。1階におよそ420人。

乗務員は14人搭乗していた。

西沢は、前から5列目、右の通路側。

離陸を待つ機内に出発間際ギリギリで乗り込んで来た男性。

そして、その近くに乗り合わせた女性。

実はこの二人、後にハイジャック事件に大きく関わってくる。

西沢の近くに座っている乗客の不安をよそに、11時21分全日空61便は乗員乗客517人を乗せて離陸。

恐怖のフライトが幕を開けた。

離陸後、わずか2分。

11時23分。

上昇中の機体の角度はおよそ7度。

遂に西沢が行動を起こした。

5列目に座っていた西沢は、包丁を手にゆっくりと後部に歩き出した。

西沢は乗務員に包丁を突きつけ、コクピットへ。

命が欲しかったらコクピットへ案内しろ!早く早く

スチュワーデス「上昇中ですので落ち着いて」

スポンサーリンク



緊急事態発生

ハイジャック対応マニュアル

・地図を出しておく

・ネクタイを外しておく

・直ちに残りの燃料を確認する

・犯人に対しては刺激しない様に丁重に対応する

・出来るだけ水を勧める(トイレに行けば外から閉じ込める)

など、各社対応マニュアルは様々。

管制塔緊急事態ハイジャックANA61

管制塔は騒然となる。

当時、コクピットの扉は今ほど厳重ではなく、状況によっては外から鍵を使って開ける事も出来た。

その鍵はチーフパーサーが管理していた。

機長は、操縦を副操縦士に任せ、のぞき穴を確認。

客室乗務員の命が危ない!

離陸から12分後の午前11時33分、コクピットに侵入。

当時のマニュアルでは人命尊重、コクピットに入れるのもやむ得ないと書かれていた。

羽田から北上して新千歳空港を目指す予定を変更させた西沢。

機長は指示通り南下して横須賀方面へ向かう。

コックピット内の計器類を興味深そうに見つめる西沢。

そして次なる要求を出してきた。

「高度3000フートまで下げろ」

高度3000フィートとは、およそ900m。

国内線が飛ぶ平均の高さおよそ10000mの10分の1にも満たない低空飛行。

低い高度を飛ぶヘリコプターや小型機と衝突する恐れがある。

ハイジャックされた全日空61便は、高度900mまで落とし羽田から横須賀を目指した。

横須上空まで来ると次は大島へ向かうよう要求。

そして西沢は、本来の目的「自分が操縦する」準備を始めた。

複操縦士がコクピットから追い出される。

長島機長はすきを見て管制官に緊急連絡。

包丁を機長に向け、複操縦席に座った西沢。

コクピットは機長とハイジャック犯の2人になってしまった。

視界を遮る厚い雲。

高度900m、低空での飛行は危険と隣合わせ。

この高度で不測の事態が発生すれば、助かる術はない。

長島機長は犯人を刺激しないよう、丁寧な言葉で話しかけた。

「もうちょっと高度を上げた方がいいと思うのpですよね。大島の所雲も出てるし、ちょっと高度上げてはだめですかね?」

西沢。「上げるな~」

そして遂に西沢が操縦桿を握った。

しかし、長島機長は冷静だった。副操縦席に座った容疑者が操縦桿を握っても機体に影響を与えないように自分の操縦桿を固く握りしめたり、容疑者を刺激しない様に細心の注意を払っている。

飛行機の操縦桿はいわば車のハンドルの様な物、前後の動きで機種を上げ下げし、左右の動きで機体の方向を変える。

実は、副操縦席の操縦桿は機長の操縦桿と連動していて、同じ動きしかできない構造になっている。

ハイジャック犯西沢に操縦を許せば墜落してしまう可能性が高い。

517人の命を救う為、長島機長は必至で操縦桿を握りしめた。

それで機体は大きく揺れた。

1階席の乗客は訳も分からず不安な時を過ごしていた。

ただならぬ事態。

その後、西沢の指示で大島上空で旋回、横田基地へ。

この時、長島機長は犯人の目を盗み横田基地方面への自動操縦を設定した。

この行動が後に、517人の運命を左右する事となる。

ひとまず自動操縦で安全を確保した長島機長。

2階席では、客室乗務員が女性や子供、高齢者を1階に誘導。

墜落の恐怖におびえる乗客。

2階席におよそ80人いた乗客は半分の40人ほどになった。

「そのころ、待機クルーと思われる男性が5・6名集まつて来る。

前ブロックの客は退去。突入するのか」

この中に、北海道からの便に搭乗する為乗り合わせていた、非番の女性パーサーと機長だった。

ハイジャック機は低空飛行で茅ケ崎から陸地に入った。

下は市街地。

コックピットでは、長島機長による説得が行われていた。

しかし、11時54分長島機長が刺され意識不明。

遂に操縦経験のないハイジャック犯が操縦桿を握る。

死のシナリオが始まった。

機体は、長島機長が設定した自動操縦で進んだ。

「自分で操縦士したい!」西沢は自動操縦を解除知る為、スイッチを手当たり次第に動かした。

すると、自動操縦が解除された。

機体は急降下しながらい大きく揺れた。

窓の外には驚愕の光景が、団地、歩く人々、車のナンバープレートまでもが間近に迫っている。

更に高度を下げる機体。

同然だが、ゲームと違い本物の飛行機は全く操縦の出来ない西沢。

高度は300m。このままいくと墜落!

墜落へのカウントダウン

そんな客室で、乗客から声が上がった。

「あいつは包丁1本だろ!取り押さえようぜ」

非番の機長 山内純二は「我々が突入します。皆さんはネクタイやベルトを用意して犯人を縛るのを手伝ってください」

遂に乗客たちが立ち上がった。

その時、ジェット音の中にかすかに響く機械音が!

「墜落の警報だ!」

この時、山内機長が聞いたのは対地接近警報装置。

車輪を出さない状態で地上およそ300mより高度が下がると機体に着いたセンサーがなる。

「テレイン・テレイン・テレイン」テレインとは地表。山肌という意味。

殆ど訓練でしか聞く事のない音。

だがこれは訓練ではない!

現実の危機が目前に迫っていた。

しかも、離陸したから約40分。

およそ10000リットルの燃料が機体には残っている。

通常飛行機には目的地に向かう燃料以外に上空待機する為の燃料、更に緊急事態の時、他の空港に行くときの為の予備燃料が入っている。

航空機事故の場合、墜落すると分かれば機長の判断で燃料は放出する。

地表に激突し、爆発、炎上を抑える為だ。

しかし、ハイジャック犯が占拠した全日空61便は、そんな措置を取る術もなかった。

専門家によれば、10000リットルの燃料を積んで住宅街に墜落すれば、半径およそ300mに渡り炎に包まれる大惨事になる恐れがあると言う。

「もう時間がない!ドアをぶち破るぞ!」

コックピットのドアは、体当たりで直ぐに開いた。

山内機長が飛び込み犯人を引きずり出す、その瞬間乗客たちが犯人確保。

ネクタイや、ベルトで動きを封じた。

その間も下降は続いた。

この時、地上およそ200m。

山内は、渾身の力で操縦桿を引いた。

すると機体が急上昇。

助かると思ったその瞬間。

突然機体が沈んだ。失速である。

航空機は、急激に機種をあげると翼も上を向く。

すると、そこに受ける空気抵抗が大きくなり失速する。

その為、機首を上げる場合は同時にエンジンの出力をあげる必要があるのだ。

スラストレバーをあげ、出力をあげなければ失速して墜落する。

しかし、今操縦桿を離せば機体が下を向きそのまま墜落する。

絶対絶命!

死を覚悟したその時!

レバーが自動で上がった!

機体が一気に上昇した。

実は、長島機長が犯人の目を盗み稼働させた自動操縦。

その速度維持装置が解除されず、維持していたのだ。

自分の命より乗客の安全を第一に考え貫き通した機長のプライド。

この後、機内に乗り合わせた医師により「長島機長の死亡が確認された

自分の命と引き換えに516人の命を救った長島機長。

そして最後まで諦めなかった空の男たち。

乗員と乗客が一つになってハイジャック犯を取り押さえ、奇跡の生還を遂げた。

 

 

RelatedPost

スポンサーリンク